はじめに
みなさん、良い文章書いてますか? 私自身、良い文章を書くにはどうしたら良いのだろうとか、そもそも良い文章とは何だろうと思う事が多々あります。
本稿は、図書館にあった「文章の書き方」的な本を数冊読んで、良さそうな項目を抽出して自分なりの言葉でまとめたものです。 良さそうな項目というのは、複数の本に書いてある項目や直感(経験を含む)的に良いと思った項目です。 読んだ本は最後にある参考文献にまとめてます。 本稿は「本→ノートに1ページでまとめる→記事」という流れで書いているため、不完全な場合があります。
本稿は良い文章を書くための方法を、いつでもサッと見返せるように整理することを目的としています。 ここでの良い文章とは、読者にあまり負担をかけず、何かを論理的にハッキリと伝えられるものを指します。
文章以前の心構え
良い文章を書くために必要な心構えとして、次のようなものがあります。
- 情報は「分かりやすさ」でラッピングして相手に届けなければいけない
- メンタルモデルを意識する
- 書いて良いのは事実と意見のみ。お気持ち表明はTwitterでどうぞ
- ハッキリと伝える
- 伝えるために必要十分な情報を書く
情報はどんなに有益だろうと、相手に伝わらなくては意味がありません。 絶えず情報爆発し続ける現代では、たとえ相手に興味を持ってもらえたとしても相手に伝わらない文章は後回しにされ、読んでもらえない可能性が大きいです。 したがって、文章を書く際の最重要項目は分かりやすさです。 そして分かりやすさを作るには、誰を読者と想定するのか、読者の予備知識はどの程度か、読者は文章に何を期待・要求しているのか考え、それに適合させる必要があります。 文学的文章であれば表現としてまかり通ると思いますが、それ以外では構成や文体などを相手に合わせなければいけません。
文章が言わんとすることは、読者の短期記憶に収納されます。 人間の短期記憶には限りがあります。 もし最初に○○についての文章だと分かっていたら、読者は事前に関連する情報を活性化します。 メンタルモデルの構築に成功した場合、話が通じやすくなります。 というのは、読者と前提を共有できているためです。 逆に失敗した場合は新しい言語をその言語の原文のみで学ぶようなもので、単純なことを言っていても難解になります。
書いてよいのは事実と、そこから導かれる意見です。 根拠のない意見、すなわち心情を書いてはいけません。 心情を書いた瞬間、その文章はポエムになります。 また、事実と意見は峻別する必要があります。 もし事実と意見が混同されていれば、読者が混乱するどころか、その文章の信頼性は低下します。
日本語は曖昧な言語です。 例えば、主語を省略したり自分の意見なのに受動態を使ったりすることが多々あります。 読者に行間を読ませてはいけませんし、読んでもらえると考えて文章を書くのは楽観的すぎます。 私は以前まで行間に頼った文章を書いていました(楽観的すぎました)が、読者がよほど作者を好きであるか重要だと感じていない限り、行間なんて読んでもらえませんし、直接的に書いてある方が明瞭で分かりやすいです。 また論理的に何かを伝えるには、読者がどんな文章の読み方をしても誤読できないように書く必要があります。 もし文章の読み方次第で色々な解釈があると言えるなら、それは責任回避で、何か言っているようでほとんど何も言ってないのと同等です。
文章は目的があって書かれます。 目的のない文章は(人間が書くもののなかでは)ありません。 伝えるために必要な情報は書くべきですし、不要な情報は削るべきです。 では、書く作業をどのように進めたら必要十分な情報を書けるのでしょうか。 文章を書く際は1つの大きな目的を定め、その目的のための全体の骨格を作ります。 そして骨格が目的を達成するために必要充分であるかを熟考します。 骨格が完成したら、骨格の構成要素ごとの目標を達成するためだけに文章を書きます。 骨格の構成要素ごとの目標に不要な文章を書いてはいけませんし、論理が飛躍した文章や厚みのない文章を書いてもいけません。
コラム:起承転結
物語の伝え方に起承転結がありますが、この「転」は、何かを論理的に伝える文章に向きません。 起承と転があまりにも違いすぎて、読者が混乱してしまいます。 文章内での刺激的な変化は不要で、「あれ?もう終わっちゃったよ」程度が良いです。
パラグラフライティング
パラグラフライティングは良い文章を書くのに最も最適な方法です。 パラグラフライティングとは、トピックセンテンスとサポーティングセンテンスによって構成される、世界で広く使われている書く技術です。 パラグラフライティングは以下のような特徴があります。
- トピックセンテンスでパラグラフの要約、サポーティングセンテンスで詳細を記述
- 文章はパラグラフを最小単位として構成される
- 1つのパラグラフで1つのメッセージを伝える
- 書いた内容が、それまでに書いてきた内容のみで理解できるよう構成する
トピックセンテンスは、パラグラフの最初に一文でそのパラグラフの要約を書きます。 文書の各パラグラフのトピックセンテンスだけ読んで、どんな内容が書かれてあるか大まかに分かるのがベストです。 こうすることで、読者は飛ばし読みできます。 つまり読者が知っている内容を飛ばしたり、興味のある箇所だけつまみ食いできるようになります。
パラグラフライティングで書かれた文章は、文単位ではなくパラフラフ単位で構成されます。 文単位で構成された文章では、形式が変則的になりがちで、形式と論理のかたまりが必ずしも一致しません。 その結果、分かりにくくなります。 対してパラグラフが単位であれば、形式が決まっているため、読者は論理が掴みやすいです。
パラグラフは最小単位なので、メッセージは1つだけ伝えるようにしましょう。 1つのメッセージを伝えるためだけにそのパラグラフを書き、パラグラフを繋げることによって複数のメッセージを伝えるようにします。 パラグラフでは扱う話題+主張を1セットとしますが、主張が2つある場合は複数のパラグラフに区切ります。 つまり、(扱う話題+主張)+(扱う話題+主張)です。 また、パラグラフは3~8文にするべきです。 というのは、短すぎると単位が文となり、長すぎると読みにくいためです(長い場合は複数のメッセージが入っている可能性があります)。
書いた内容は、既に書いた内容のみで理解できるようにすべきです。
日本語では、右の形で書かれことが多々あります。 しかし右の形では論理構成が曖昧になりがちで、分かりにくくなります。 読者がこれまでに読んだ内容だけで新たな内容を理解するには、左のように、幹から始まって枝へと話を進める必要があります。 これは人間の認知にも関係していて、大きな枠組み→詳細の順で伝えた方が分かりやすいことが多いです。
丁寧に、一文ずつ
ミクロがマクロを作ります。 パラグラフライティングが身についた後は、一文いちぶんを大切にするように心がけましょう。 主に気をつけることは、以下のようなものです。
To do
感じたこと・終わりに
文章を書くことに慣れていない人がいきなりこれを実践するのは難しいと感じました。 また、たとえ実践できたとしても、実践するだけでは、どこかの大学教授が書くような良い文章は書けないと思いました。 色々な文章を注意深く読むことで、経験値を稼ぐ必要があると思います。
また、本稿を書くにあたって数冊の本を読みましたが、そのどれもがパラグラフライティングの考え方が根底にあると感じました。 パラグラフライティングは一言でいうと、文章を論理的に読ませる技術です。 文章は読まれて初めて価値がでます。 ものを書くとき、読者が中心であると強く意識をしていきたいです。
参考文献
特に1番と2番は参考になりました。 もし書くのに詰まったら今度また読み返そうと思えるような必読書です。
5番は一文いちぶんを上手く書くテクニックを紹介してる書籍です。 そのため、パラグラフライティングを身につけた後に読んだほうが、書く技術の知識が頭の中で体系化されやすいと思います。