この記事はポエムです(以下、簡潔に「である体」で書きます)。 最初に別の記事を読まれることをお勧めする。
やはりウェブにはデータポータビリティレイヤが圧倒的に不足している。 そしてこのデータポータビリティレイヤの不足は相当根深く、アーキテクチャ的(破壊的創造)な解決は相当難しい。 正直、GDPR法よろしく法律( or W3C)の出番だと思う。 しかし、既存の法制度やW3Cが既存のWebを破壊するほど圧倒的に変えられるか、といえばアーキテクチャ以上に困難ではないかと思う。
なぜデータポータビリティレイヤが不足しているか
なぜデータポータビリティレイヤが不足しているかについて。 まずWebの標準にレイヤを追加することについてだが、
- サービスはロックインしたいという生理的な欲求がある
- ブラウザから直接サービスに繋がる
- いくつかのブラウザが別々に(独立して)存在する
という事実から、既存のブラウザとサービスの間または既存のブラウザ側にデータポータビリティレイヤを標準で追加することは非常に困難だと考える。 では拡張機能はどうかというと、拡張機能は標準でないため、一部のユーザだけがデータポータビリティを獲得することになってしまい、それでは一部の人のためのデータポータビリティになってしまう。 以前までそれでも良いと考えていて、別のWeb世界を新たに一から作り直すことによってデータポータビリティレイヤを追加したWebを作ったが、実際その「Web世界」を使う人間がどれほどいるか、ということを考えると絶望した。 一部のユーザだけ、となるとこの世の大多数のユーザはデータポータビリティを持たないことになる。 私は全ての人がデータポータビリティを持つWebが欲しい。
完全なデータポータビリティについて
Fediverse辺りのムーブメントには一定の希望を持って見ているが、しかし(別の記事で書いたが)Fediverseにも限界があり完全なデータポータビリティとはいえない。 いや、そもそも真に完全なデータポータビリティというのは個人の生体そのものにデータが紐づいていて、そのデータを必要な時に必要な部分を取り出して必要な人に伝達でできることだと思う。 それを考えると、真に完全なデータポータビリティというのは、ロックインフリーなBMI(Brain Machine Interface)がハードウェアレベルで出現して、BMIハードウェア側に全てのデータが保存されている状態だと思う。 そうなるとBMIに保存しているデータを何らかのサービスに投稿したり、他に利用できる。 ただ、真に完全なデータポータビリティなんてまだ要らないから、日々ブラウザから生成されるデータくらいユーザ自身で保有・管理させてください、というのが本音ではある。
絶望する、というのは何も生み出さないし何も解決しない、ということは分かっていて、なんとかやってきたんだけど、それでも私が制作物の重要性が既存のWebアーキテクチャ上に作られたWebサービスよりも低いと(あるコミュニティから)認定されたりして、このコミュニティで重要性が理解されないのなら世間からも理解されることは困難で、このデータポータビリティの問題は相当根深いな、解決できないかもしれないな、という絶望感がある。 天才たちがフルでリソースを突っ込んでデータポータビリティの問題を解決してくれないかな、と思う。 少なくとも僕1人では無理だった(昨日はできると思った、今日は無理だと思う、明日はどうなるかな)。 資本主義が生み出したデータポータビリティという問題は、環境破壊と同程度に解決が困難で、人類にとって最悪の問題だと思う。